O26、O111、O157といった腸管出血性大腸菌は、牛の腸管、つまり食道から肛門の間にいます。平成10年の法改正により、日本の全ての屠畜場では、屠畜に際して牛の食道と肛門の両方を結索すること等が義務づけられました。
そしてこの法改正により、日本の全ての屠畜場から出荷される牛肉は、生食用の品質で出荷されるようになりました。
現在、日本の全ての屠畜場から出荷されている全ての牛肉は、生食用の品質です。
しかし、日本の屠畜場から出荷されている牛肉は、今日現在、全て「生食用」ではなく「加熱用」と表示されています。なぜかというと、生食用として出荷し て、もしどこかで食中毒が発生したら責任問題になるかもしれないということで、「加熱用」と表示されているのです。(品質は、「生食用」です。)
さて、この「生食用」の品質でありながら「加熱用」として出荷された牛肉は、食肉販売業者あるいは飲食店で、トリミング、つまり肉の表面を削り取る作業を行うと、「生食用」として提供することが認められています。
これは、牛肉の表面は細菌で汚染される可能性があるため、生食する前に肉の表面を削りとることが必要だからです。
「加熱用」と表示されていても、もともと「生食用」の品質の肉なので、トリミングさえすれば、生食することができるのです。
反対に、もし、「生食用」として表示されている牛肉があったとしても、トリミングをしなければ、生食用に提供することはできません。
ですから、この数年間、屠畜場から「生食用」として出荷された牛肉はありませんが、日本の屠畜場から出荷される牛肉は「生食用」の品質で出荷されていま す。そして、この「加熱用」として出荷された牛肉をトリミングして「生食用」として提供することはルール上、認められています。
今回は、食肉販売業者も飲食店もどちらもトリミングをしていなかったことがわかりました。ですから、表面の病原菌が取り除かれず、食中毒が起きたのです。